粘土練り作業に参加して
土製品作り用の粘土練りに今回はじめて参加した。その作業は、11月23日、縄文学習館で行われた。参加ボランティアは15人、143.5㎏の粘土が練り上げられた。その様子を紹介しながら感想を述べてみたい。
今回の作業に使った粘土は、10月に近隣の里山から掘り出してきたものでビニール袋に収納されていた。その粘土練りの作業は概ね以下の工程で行われた。
1)土玉作り:袋から取り出した粗粘土から石ころや植物の根などの異物を取り除き、直径5~6㎝ほどの土玉をつくる。
2)粘土練り:土玉を土練機(どれんき)に投入し粗粘土を練る。この作業は、螺旋状のローラーで圧力をかけながら粘土を練り出すことで土玉に含まれている気泡を絞り出したり、粘土の質感と密度を均一化する工程である。
3)計量:土練機から練り出された粘土を2kgごとの塊に分けて直方体に成形する。4)収納:直方体に成形されたものをビニールで包装し箱詰めをする。
以上の工程に数人ずつが割り当てられたが、私は2)の粘土練りのグループに入った。その中での私の作業は、専ら土玉を土練機に投入することであった。これを3時間あまり、ほぼ立ちっぱなしで行ったが、楽しく会話しながら作業する時は不思議な力が働くもので疲労感なく作業ができた。また、初めての経験だったので刺激的で学ぶことがたくさんあった。土練機から棒状に練り出される粘土は、表面がなめらかなもの、練りムラがあり表面がざらざらのものなど、投入される土玉の粘土質により様々であった。練り上がりが柔らかいもの、堅いものも見られた。実際にこのような粘土を使う場合は、練り上がりの状態をよく見極めて事前に乾燥させたり水分を含ませて練りなおすなどの作業が必要であることなど、作業中に先輩から教えてもらった。貴重な学びの場でもあった。
ボランティアとして活動をはじめてから1年半が経過しようとしている。土製品作りに当たっては、粘土掘りから野焼きまで事前事後の工程が実にいろいろあることを学ぶことができた。また、普段あまり意識することなく使っている粘土は、粘土掘りと粘土練りという労力をかけたものであることを体験的に知ることができた。これまで、ボランティア作成の粘土を使ったことはないが、今後それを使って土製品を作る際は、粘土が手元に届くまでの過程にも思いを馳せ大切に使いたいと思っている。(大山)