サポートスタッフ研修会第3回目
2021年5月29日(土)に、サポートスタッフ研修会第3回目が体験交流室で27名の受講生を迎えて開催されました。今回の講義は「北海道・北東北の縄文遺跡群とその構成資産」というテーマでした。折しも3日前の5月26日にユネスコの諮問機関が、『「北海道・北東北の縄文遺跡群」は世界遺産への登録がふさわしいという勧告』を発表した後でしたので、講師も受講生も熱が入りました。
講義では、世界遺産への登録基準である「顕著な普遍的価値」について、「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、「世界的にめずらしい、採集・漁労・狩猟を基盤とする定住社会が長期間続いた証拠であり、複雑な精神文化が育まれていた」こと、そして「長期間続いた採集・漁労・狩猟文化における定住の開始、発展、成熟の過程を示す世界でほかにはない証拠であり、多様な立地に適応して、多様な生業を発展させたことによって、長期にわたる採集・漁労・狩猟生活を継続させた」ことが、評価基準ⅲと評価基準ⅴに該当するという解説がありました。
17の構成資産のなか、是川石器時代遺跡の特徴は「定住が成熟する縄文時代終わりごろ(紀元前1,000年~400年前)のさまざまな施設がつくられた集落で、河川流域の生業や高い精神性、祭祀や儀礼の様子がわかる数少ない遺跡である」という内容でした。
2005年に始まった世界遺産を目指す取り組みは6回の推薦漏れを経て17年越しの長い道のりだったと聞きました。具体的には上記の内容をひとつひとつ実証して、それが認められたということなのだと私は理解しました。そう考えたら、世界に認められたことに大きな意義があるのではないでしょうか。(谷内)