考古学講座(後期:第1回)を開催しました
12月10日(土)に是川縄文館考古学講座を開催しました!
12〜2月の後期日程では、「北日本おけるヒトの交流・社会」をテーマに、弥生・続縄文時代、古墳時代、中近世における北海道・北東北の地域関係の変化をどのように読み取っていくか考えるための講演会を3回にわたり開催します。
第1回の講師には、東北大学総合学術博物館教授の藤沢敦先生をお招きし、「倭人と蝦夷 -古代の列島北部における文化と人間集団-」というご演題でお話しいただきました。
古墳時代の北海道・北東北は、続縄文文化が広がり、律令国家となった中央政権から「蝦夷」とみなされてきたことで知られます。藤沢先生は、中央政権が呼称し認識していたところの蝦夷の領域、そこにみられる地域文化や人間集団の実態を考古学から読み解くことを課題にご研究を深められています。
ご講演では、北海道・東北各地の弥生文化・続縄文文化・古墳文化の痕跡を詳しく示しつつ、時期を経るごとに変化し交錯していく地域間のようすをご解説していただきました。文献史料から想定される中央政権が認識していたと考えられる蝦夷の領域と、遺跡・遺物からみる文化の範囲は必ずしも一致するわけではないことから、文化や民族の考え方の根本的な見直しをふまえて、地域の実態を明らかにしていく必要があると述べられました。
次回は年明け1月14日(土)に開催します。講師に北海道大学大学院准教授の高瀬克範先生をお迎えして、「続縄文文化と東北弥生文化の交流」というご演題でお話しいただきます。ぜひご参加ください!