考古学講座「世界遺産登録の先にあるもの」受講記
5月15日(土) 考古学講座「世界遺産登録の先にあるもの-ICOMOSの立場から」が開かれました。
講師は日本イコモス国内委員会委員長で岡田保良国士舘大学名誉教授。
コロナ禍のなかでネット回線を通しての開催講座、会場となった体験交流室の配置された椅子席は、ほぼ埋まり40名を超える盛況ぶりでした。
世界遺産とは1972年ユネスコ採択の世界遺産条約に基づき、世界遺産委員会が別に定める登録基準に照らして顕著な普遍的価値を有すると認め、委員会が作成する一覧表に記載された不動産(自然遺産、文化遺産、複合遺産)をいう。日本は条約に加盟したのは1992年20年の空白がある。
条約前文にみる趣旨には人類全体のための世界の遺産の一部として保存、社会変化による破壊の脅威、経済的学術的及び技術的な能力の点で各国単独での保護では不完全なこと、保護することが世界のすべての国民のために重要などが掲げられている。縄文遺跡群の近未来のために、世界遺産登録後の国の責務として保護管理、定期的報告、リアクティブモニタリングなど様々な課題が待ち受けている。危機遺産の話もありました。
我々が住む地域、北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群、貴重な資産を将来にわたり守り伝える地域社会の覚悟、世代を超えて継承意識すべきこと、私達は重い責務を感じた講座でした。 〈畑 記〉