考古学講座「田小屋野貝塚が語る縄文のくらし」
2021年3月13日(土)令和2年度後期考古学講座②「田小屋野貝塚が語る縄文のくらし」と題し,つがる市教育委員会社会教育文化課文化財係長羽石智治さんを講師に迎えた講座が開かれました。田小屋野貝塚は日本海添いの屏風山砂丘地にあり、日本海側では数少ない貝塚を伴う集落遺跡ということです。
以前,田小屋野貝塚を見学した時,「北海道などで見つかる,ベンケイ貝による貝輪の加工場があった事や屈葬人骨は実は土坑掘りの手間を省く為だったのでは?」とのお話しを聞きました。今回の羽石先生のお話で興味深かったのは,「ネズミとカエルの骨出土」です。後にネズミとカエルの捕食について質問したところ,「出土例が少なく今は断定できない」ということでした。
もちろん県内外の他遺跡でも出土例はあるのですがまだ少ないという事でしょう。
縄文時代のこの地は見渡す限りの湿地帯で,五所川原の奥の山裾辺りにいくつかの集落があったかもしれない。やがて江戸時代に津軽藩により新田開発され県下第一の津軽平野となったという事でしょうか。縄文は面白い。確かにおもしろい。 (市澤)