考古学講座(後期第3回)を開催しました!
2月4日(土)に是川縄文館考古学講座を開催しました。
12月~2月の後期の日程では、「北日本におけるヒトの交流・社会」をテーマとした講演会を開催しています。
後期日程最後となる第3回の講師には、弘前大学大学院人文社会科学研究科教授の関根達人先生をお迎えして、「考古学から見た中近世北方交易とアイヌ文化」というご演題でお話をいただきました。
北海道では、7世紀頃から続縄文文化を経て擦文文化が広がり、本州の和人との交易拡大と、サハリン進出によるアムール河下流域の女真文化との文化的接触によって、12世紀後半頃にはアイヌ文化が形成されたと考えられています。本州では畿内を中心に古墳文化を経て飛鳥文化~鎌倉文化など、日本的な文化が展開し、北緯41度以北の北海道、青森の地域では、北方交易などによってそれぞれの文化が複雑に交錯していくことで知られています。
ご講演では、アイヌ文化とその成立の背景とともに、アイヌ墓に副葬されるマキリ(小刀)、漆器、キセルなどの和人との交易品について、考古学・史料学の視点から一つ一つ丹念にご解説いただきました。こうした交易品を通じて理解される和人の文化に対するアイヌの受け入れ方が示され、朝貢・交易からみえる和人とアイヌの関係について詳しく論じていただきました。
本回の講座をもって、後期日程「北日本におけるヒトの交流・社会」は終了となります。たくさんのご聴講、ありがとうございました。次期考古学講座は5月からのスタートを予定しています。当館HP、広報はちのへなどで告知しますので、ぜひご期待ください!