考古学講座(後期:第2回)を開催しました
1月14日(土)に是川縄文館考古学講座を開催しました!
12〜2月の後期日程では、「北日本おけるヒトの交流・社会」をテーマとした講演会を3回にわたり開催します。
第2回の講師には、北海道大学大学院准教授の高瀬克範先生より、「続縄文文化と東北弥生文化の交流」というご演題でお話しいただきました。
縄文時代が終わると、北海道では狩猟や漁労中心の生業を続けた「続縄文時代」、北東北では西日本から広がった水田稲作経営を導入した「弥生時代」を、それぞれ迎えたと考えられています。二つの地域で育まれる文化に違いがありますが、縄文時代以後も地域間で交流が続いていたことがわかっています。
ご講演では、植物利用や水田経営、狩猟や漁労を背景とする経済などの視点から、続縄文文化と東北弥生文化の特徴をご解説いただき、アオトラ石などの鉱物資源や装身具、土器などから明らかになる地域間の交流関係をお話しいただきました。
また、続縄文・弥生時代の後半は、北海道では定住生活から遊動生活への変化、北東北では各地で大津波などの自然災害がそれぞれ起こっていたことが示され、社会の大きな変動期だったことが示唆されました。
次回は2月4日(土)に開催します。講師に弘前大学大学院教授の関根達人先生をお迎えして、「考古学から見た中近世北方交易とアイヌ文化」というご演題でお話しいただきます。後期日程最後の考古学講座ですので、ぜひご参加ください!