8/29特別展イベントを開催しました。
7月25日(土)から開催中した特別展「漆と縄文人」のイベントとして、「特別展ギャラリートーク」と「特別展考古学講座」を開催しました。
イベントの講師には、漆器考古学の権威、石川県輪島漆芸美術館館長の四柳嘉章先生をお迎えしました。四柳先生には特別展開催にあたり、さまざまなご教示をいただくとともに、特別展図録にも玉稿を賜りました。
11時から開催したギャラリートークでは、はじめに輪島塗を例にして、漆とはどんな液体か、漆器はどのような工程で作られるのかといった基礎的な知識を紹介していただきました。また展示品の解説では、四柳先生が分析を手がけられた展示品も数多く、資料の一つ一つの詳しい紹介が行われ、熱のこもった解説に参加者とても聞き入っていました。
14時から開催した特別展考古学講座では、「縄文時代の漆文化」をご演題に、四柳先生がこれまで蓄積されたご研究の成果をお話しいただきました。漆研究は現在、漆を科学的に特定する赤外分光線分析、塗膜構造を明らかにする顕微鏡観察や元素マッピング法など理化学を応用した学際的な研究が展開しています。こうした分析方法の進展とともに、縄文人の漆利用のようすが明らかにされてきています。ご講演では、こうした研究方法についてもわかりやすく紹介され、縄文人の漆生産をはじめ、縄文時代の漆製品の作りや地域的な違いなどを詳しく解説していただきました。