平成26年度是川縄文館考古学講座(後期第2回)を開催しました!
1月10日(土)に考古学講座を開催しました。本講座は平成26年12月~平成27年2月を後期日程として、「北東アジア・オセアニアの考古学」をテーマとした講演会を3回実施していきます。
今回はその2回目の講座として、講師に東北学院大学文学部教授の佐川正敏先生をお迎えしました。ご講演は、「縄文時代の栄枯盛衰と中国文明の誕生」と題し、縄文時代の文化や社会の移り変わりと中国文明との比較を中心とした内容をお話しいただきました。
日本列島の縄文時代には狩猟や採集を生業の柱に、多彩な土器や土偶などのものづくりの文化が育まれていましたが、中国大陸では早くから農耕が行われ、日本 で縄文時代後期にあたる約4,000年前頃から本格的な青銅の精錬を開始するなど、両地域で文化や社会の様相は大きく異なっています。また縄文時代では、 例えば中国大陸で玉器とされる耳飾に似たものが出土したり、山形県で殷代の青銅刀子が採集されるなど、断片的に中国大陸との交流が古くから想定され、議論 が続いています。
ご講演では、縄文時代の移り変わりと中国大陸との交流について解説されるとともに、とくに夏・商時代の中国初期文明にお ける研究の現状をお話しいただきました。日本列島、中国大陸の先史時代の歴史は、個別に語られることが多く、関連付けて説明されることが少ないのですが、 ご講演は両地域の各時代の文化比較を意識した内容となっており、両地域を通じて縄文文化・社会の特質をあらためて知ることができました。
次回は、2月7日(土)14:00からで今期最後の講座になります。講師には、東北福祉大学総合福祉学部教授の梶原洋先生をお迎えし、「北東アジアから見 た日本先史時代」というご演題のもと、ご講演をいただく予定です。今回のテーマの総論となる内容になっていますので、次回もぜひご参加ください!