平成25年度考古学講座(後期第3回)を開催しました!
2月8日(土)に考古学講座を開催しました。この講座は、平成26年3月までを後期日程として、「考古学研究・人類学研究最前線!」をテーマとした講演会を4回実施していきます。今回はその3回目の講座となります。
講師は、国立科学博物館人類研究部人類史研究グループ長の篠田謙一先生です。ご講演では、「われわれ日本人はどこからきたのか」と題し、先史時代の古人骨のDNA分析から読み取れる、私たち人類の出現や拡散の仕方について、お話しをいただきました。
ご講演では、DNAとその分析方法についてわかりやすくご紹介いただくとともに、約700万年前からはじまる初期猿人の発生から、新人(ホモ・サピエンス)の発生に至る人類進化のこれまでの研究動向や、6万年前頃からはじまる現生人類の世界規模の拡散とその要因について解説していただきました。
日本列島では骨の形態の違いから、縄文人と弥生人といった年代的・社会的な違いや、本州と沖縄、北海道での地域的な違いがあり、それはDNAからもその違いが明らかで、現在の日本人の成り立ちには、さまざまな社会的背景があいまって、複雑な様子があるようです。篠田先生は、日本人の成立過程を明らかにするため、本州、沖縄、北海道の現代人やアイヌ、先史時代人などを対象にDNA分析を進められており、これまでのご研究の成果と今後の展望についても詳しく解説していただきました。
次回は、平成26年3月22日(土)14:00からです。講師は当館の小林和彦館長で、演題は「動物と環境と人びとのくらし」です。これまで動物遺存体(骨)を専門に研究を進められるとともに、長年、当市の是川遺跡の調査・研究に携わっております。これまでのご研究の成果をお話しいただきますので、次回もぜひご参加ください!