平成24年度前期第3回考古学講座が行われました。
講座前半をしめくくる第3回目の講師は、南山大学非常勤講師の長田友也先生です。ご講演は、「まつりの道具」と題し、縄文時代のまつりの道具(儀器)について、とくに小型石棒の研究を中心にお話をいただきました。
縄文時代のくらしの様子を見ることができない現在から、発掘調査や出土品をもとにどのようにして当時の具体像にせまっていくか、こうした問題を解きほぐしていくことが、考古学の主題といえます。その中でも、当時のまつりや儀礼の具体像は、発掘調査で目に見えるような形で発見されることは少なく、とりわけ難しいといえます。
講演では、こうした課題に正面から取り組み、全国各地の発掘調査の成果や出土する土偶や石棒などの遺物の丹念な分析をもとに、当時のまつりの形、そして縄文人の精神文化へいかにせまっていくかを力説していただきました。
考古学講座前期「道具からみえる縄文時代の生業と祭祀」は、今回をもって終了となります。多くのみなさまからご聴講頂き、誠にありがとうございました。考古学講座後期は、12月から3回にわたって開催の予定です。ぜひそちらもご参加ください。
また、8月8日(水)から開催予定の特別展「発掘された日本列島2012」にちなんで、8月25日(土)に特別展考古学講座を開催する予定です。今後HPなどで告知いたしますので、ぜひご期待下さい。