平成24年度前期第1回考古学講座が行われました。
5月から6月にかけて全3回の予定で行なう、平成24年度前期是川縄文館考古学講座の第1回目を、5月26日に開催しました。
第1回考古学講座の講師は、東北芸術工科大学准教授の北野博司先生です。ご講演は、「ススとコゲからみた縄文土鍋の調理方法」と題し、調理実験を基とした縄文人の土器を用いた調理方法復元の研究についてお話をいただきました。
遺跡からみつかる縄文土器、とくに深鉢・鉢の形をした土器の多くには、煮炊き調理に使われた証拠と考えられるススやコゲ、吹きこぼれの痕などが残っています。こうした痕跡を手掛かりに、実際に縄文土器を作り、調理実験をして、実験であらわれる痕跡との比較から、当時の土器を使った調理のようすについてせまっていきます。近年、ススやコゲが残る土器に対し、「土鍋」と呼ぶ研究者も増えてきています。
北野先生はこれまで、こうした研究を積み重ねており、その成果にもとづいた話題にあふれるご講演をちょうだいしました。とくに「縄文人は使い終わった土器を空焚きして、内容物を焦がして水洗いなどしていなかったのではないか?」というお話は、参加者もとても興味深く聴講していました。
次回は、2012年6月9日(土)15:00~ 講師は、郡山女子大学の會田容弘先生です。開始時間が15:00からとなっていますので、ご注意ください。次回もお聞きのがしのないよう、ぜひお越しください。